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GST_03 売上(Supply)の定義①

2016.01.10

GST

GSTの仕組みを理解するためには、以下の4つの基本概念を理解することが重要です。

 - 売上(Supply)の定義

 - 売上(Supply)の種類

 - 売上(Supply)の場所

 - 売上(Supply)のタイミング

 

今回は「売上の定義」についての説明(前編)となります。

国内課税取引とは

シンガポール国内において行われた取引で、以下の全ての要件を満たすものはGSTの課税対象(国内課税取引)となります。

  1) 商品等の販売またはサービスの提供

  2) 売上がシンガポール国内で行われたこと

  シンガポール国内で取引されたもののみが国内課税取引となります。シンガポール国外で行われた商品等の販売またはサービスの提供はGSTの課税対象となりません。

  3) 当該売上は課税事業者による売上であること

  課税事業者による売上のみが、GST課税対象となります。課税事業者とは、GST課税事業者登録をした者をいいます。GST課税事業者の登録をしていない事業者はその売上についてGSTを課税、徴収することはできません。

  4)当該売上は課税事業者の事業目的のために行われたものであること

 プライベートで行った売買または非事業目的で行った売買はGST課税対象となりません。GST法(GST Act)では、「売買とは、約因のない取引を除くあらゆる形式の売買を含む」と規定されています。

  約因とは、英米法において契約を構成する約束に拘束力を与える根拠のことです。契約の一方の当事者が他方当事者に対して提供すること、ものに対して、してもらったほうの当事者が何らかの報酬や、これに代わるものを提供することを「約因」といいます。

例えば商品を引き渡した代わりに金銭を支払った場合、商品と金銭とが約因となります。

GST課税対象となる売上は商品等の販売およびサービスの提供で約因を含んだ取引となります。従って、無償で提供したサービスは約因がないことから売上には該当しません。

(つづく)