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Foreign Maid Levy (FML) Relief

2016.01.11

Taxation

シンガポールでは夫婦2人がフルタイムで働くのが当たり前です。女性が働きながら子育てして、家事もやるのは大変かと思います。それを支えてくれるのが外食文化と海外から来たメイドさんではないでしょうか。

シンガポール所得税法の中には、働くママをサポートする税制があります。その1つが、外国人メイドを雇用した場合、その就労許可に係るForeign Maid Levyの200%を所得の金額から控除できるForeign Maid Levy (FML) Reliefという制度です。

 

1.外国人メイドを雇用したときに課税される税金Foreign Maid Levyとは?

外国人のメイドを雇う場合、雇用主はメイドのWork permit(就労許可)を取得し、毎月、Foreign Maid Levy(外国人メイド税、以下「FMLs」)という税金を支払わなければなりません。

FMLsの税率は以下のとおりです。

Type of levy

外国人メイド税の種類

Monthly rate

月次料率

Daily rate

日次料率

Normal (標準)

$265

$8.72

Concessionary(特例)

$60

$1.98

※Concessionary(特例)は子供がシンガポール国民である等の一定の要件を満たした場合に適用できます。日本人含め外国人が子供の面倒を見るために外国人メイドを雇っている場合は、Normal (標準)が適用されます。

 

2.働くママの所得税を減額、Foreign Maid Levy (FML) Reliefとは?

FML Reliefは赤ちゃんから学校に通う子供がいる働いてる女性をサポートする所得控除制度です。

適用を受けることができるのは、以下に該当する女性です。

 1) 本人またはその夫が当該課税期間において外国人メイドを雇用した。

    2) 当該課税期間において、本人が以下のいずれかに該当する

  ① 夫と婚姻しており、生活を共にしている

  ② 夫と婚姻しており、夫はシンガポール居住者ではない

  ③ 夫と別居、離婚、死別しており、子供は本人と生活を共にしており、

              本人がChild reliefs(扶養控除)の適用を受ける

 結婚せずに子供を産んだシングルマザーの場合、適用対象外となります。

 

3.所得控除の金額は?

所得控除の上限額は当該課税期間に支払った外国人メイド1名分のFMLsの金額の合計額の200%相当額です。その金額を所得控除額として当該課税期間の所得の金額から差し引きます。(所得がない場合には控除できません。)

外国人メイドを2名以上雇ってる場合でも、所得控除の対象となるのは1人分のFMLs×200%となります。

 例えば、共働きの夫婦と子供1人の日本人家族が通年で外国人メイド1人を雇っていた場合、妻の所得から控除できるForeign Maid Levy (FML) Reliefの金額はS$6,360($265 × 12ヶ月 × 2)となります。