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183日の数え方

2015.09.08

Taxation

租税条約で規定する短期滞在者免税の規定を受けたいのですが、183日の計算をするときに入国日、出国日はどのようにカウントするのですか?とシンガポール在住の日本人からご質問がありました。

 

短期滞在者免税の滞在期間は、物理的な滞在日数の合計によるべきとされており、入国日、出国日両日とも滞在日数にカウントします。

日星租税条約第15条2項(給与所得)には下記のように記載されています。

 

2 1の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者が他方の締約国内において行う勤務について取得する報酬に対しては、次の(a)から(c)までに掲げることを条件として、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

(a) 報酬の受領者が継続するいかなる十二箇月の期間においても合計百八十三日を超えない期間当該他方の締約国内に滞在すること。

(b) 報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるものであること。

(c) 報酬が雇用者の当該他方の締約国内に有する恒久的施設又は固定的施設によって負担されるものでないこと。

 

シンガポール居住者が

・連続する12月間の期間において日本滞在期間が182日以下であり、かつ

・報酬が日本の居住者でない雇用主から払われており、かつ

・報酬が雇用者の日本国内に恒久的施設または固定的施設によって負担されるものでない場合

短期滞在者免税の規定の適用を受けることができます。

 

この183日の数え方についてはOECDモデル条約第15条関係のコメンタリーパラグラフ5に規定されており、日本もシンガポールもこちらに準拠しています。

1 滞在期間に含まれるもの  1日のうちの一部、到着日、出国日、役務提供地国での土曜日・日曜日・国民的祝日・休日(役務提供前、期間中及び終了後)、役務提供地国での短期間の休暇、病気(当人が出国することができない場合を除く。)の日数、家族の病気や死亡、研修、ストライキ、ロックアウト、供給の遅延により役務提供地国で過ごした日数

2 滞在期間に含まれないもの  活動のその国の外にある二地点間のトランジット、役務提供地国外で費やされた休暇、短期間の休暇(理由を問わない。)

 

例えば、9月8日午前2時のフライトで羽田空港を飛び立ち、同日午前10時にチャンギ空港へ到着した場合、 日本で短期滞在者免税を受けるための滞在日数を計算する際には、9月8日は日本に滞在していたとカウントします。