良い値決め悪い値決め
2015.07.26
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商売していると自社の商品・サービスの値決めで失敗したと後悔した経験のある方も多いのではないかと思います。特に商売をはじめたばかりで、お客さんゼロのときに行った値決めが、数年後、足を引っ張ることも。。。
私は監査法人に勤務していた頃、提案書・見積書を作成したことがあったので、そのときの経験に基づいて工数(作業時間)×担当者のチャージレートで提案書を作成してます。
会計事務所やコンサルタントは一般的にこのように見積をしていると思います。
飲食店であれば、一般的に原材料費率が30%でそこに労務費を加えて利益はいくら位で…、サービス業では競合他社の値決めを目安にコストベースで値決めをすることが多いと思います。コストベースの値決めでは「コスト+利益=売価」となります。売上は販売単価×販売個数できまります。インターネットが発達し、フリーミアムという無料モデルが台頭する中、販売単価はゼロに近づき、販売個数を最大化しないと利益が出なくなる厳しい競走を強いられている業界もあります。
本書では、日本の製造業に敗れたアメリカの製造業がどのように産業シフトし、付加価値型の新しいプライシングモデルに転換したかを説明しています。それをバリュー・プライシング式とし「売価-利益 = コスト」で表しています。「顧客はどれくらいの価値なら買ってくれるか」という顧客中心の値決めで、顧客がどれだけ満足してくれるかに視点をおいています。
「弊社の商品はいいものです。シンガポール人も日本のものは良いものと理解しています。」
そういって日本の価格に輸送費・保管料等を加算して値決めをしている方が大半のように思います。その結果、1年以上1つも売れなかった商品をいくつも知っています。顧客にどんな価値を提供できるのか、顧客視点に立ったメッセージと値決めが必要だと思いました。