シンガポールで給与支給時に給与から差し引く社会保険料等について
2017.12.14
Immigration & Work Visa
シンガポールで従業員を雇用した場合、雇用主は給与の支払に関して以下の社会保険料等を給与から控除しなければなりません。
①CPF(Central Provident Bond/中央積立基金)
日本の厚生年金に類似するものです。日本と異なるのは確定拠出型であり、給与から差し引かれた金額と会社負担分がその従業員のCPF口座に振り込まれ、CPF口座の中でリタイア後に備えて運用します。
対象者:シンガポール国民、永住権保持者
内容:従業員と会社が月額給与に対してそれぞれ一定額を拠出します。
拠出金額は年齢と給与の金額によって異なりますが、55歳未満の場合、本人負担額20%、会社負担額17%であり月給の上限額は6,000ドルです。日本同様控除額のテーブルがあります。
CPF拠出率 | ||
年齢 | 会社負担率 | 従業員負担率 |
55歳以下 | 17% | 20% |
55歳超60歳以下 | 13% | 13% |
60歳超65歳以下 | 9% | 7.50% |
65歳超 | 7.50% | 5% |
永住権を取得して1年目と2年目は料率が低く、3年目以降はシンガポール人と同じ料率となります。永住権1年目は本人負担額5%、会社負担額4%、永住権2年目は本人負担額15%、会社負担額9%です。
支払い期限は、毎月翌月14日です。
②各民族基金(CDAC/MBMF/SINDA/ECF)
対象者:シンガポール国民、永住権保持者
内容:各民族ごとにその民族の相互扶助のため、月給の金額に応じて一定額を寄付する制度です。CDACは中華系、MBMFはマレー系、SINDAはインド系、そしてECFはユーラシア系の民族の基金です。寄付をするのは従業員のみで会社負担額はありません。寄付金額のテーブルは以下の通りです。
CDAC
≤ $2,000 $0.50
> $2,000 to $3,500 $1.00
> $3,500 to $5,000 $1.50
> $5,000 to $7,500 $2.00
> $7,500 $3.00
MDMF
≤ $1000 $3.00
>$1000 to $2,000 $4.50
>$2,000 to $3,000 $6.50
> $3,000 to $4,000 $15.00
> $4,000 to $6,000 $19.50
> $6,000 to $8,000 $22.00
> $8,000 to $10,000 $24.00
> $10,000 $26.00
SINDA
≤ $1,000 $1.00
>$1,000 to $1,500 $3.00
>$1,500 to $2,500 $5.00
> $2,500 to $4,500 $7.00
> $4,500 to $7,500 $9.00
> $7,500 to $10,000 $12.00
> $10,000 to $15,000 $18.00
> $15,000 $30.00
ECF
≤ $1,000 $2.00
>$1,000 to $1,500 $4.00
>$1,500 to $2,500 $6.00
> $2,500 to $4,000 $9.00
> $4,000 to $7,000 $12.00
> $7,000 to $10,000 $16.00
> $10,000 $20.00
③SDL(Skill Development Levy/能力開発税)
対象者:シンガポールで働く全従業員
SDLはシンガポール国民及び永住権保持者の職業訓練の補助金として使用される基金です。全額を会社が負担します。SDLの料率は月給の0.25%で、月給4,500ドル以上の場合は11.25ドル、月給800ドル以下の場合は2ドルとなります。
通常はCPFと一緒に支払いますが、外国人労働者しかいない会社は監督官庁であるWDAに対して支払います。
④FWL(Foreign Worker Levy/外国労働者税)
Employment PassやDependant Passホルダーではなく、S passやWork Permitを取得して働く外国人従業員がいる場合は、毎月、FWLを納付しなければなりません。FWLの金額は、外国人労働者比率やその外国人従業員の熟練度に応じて金額が異なります。FWLは全額を会社が負担します。FWLはCPFと一緒に支払います。