blog

シンガポールの会計士資格を取って良かったこと

2016.04.25

Management/経営のこと

私は、シンガポールの会計士資格である勅許会計士(Chartered Accountant)の資格を保有しています。

シンガポールの会計士試験を受験する以前に、私はアメリカの会計士資格を持っていました。私がシンガポールの会計士試験を受験した当時は、アメリカの会計士に対する優遇制度がありました。5日間の研修を受けて択一式試験に合格後、会社法と租税法の論述式試験に合格し、実務経験を満たせば、勅許会計士となることができました。正規のルートでは会社法と租税法以外にも数科目論述試験がありましたが、それらが免除となっていました。

現在は、試験制度が変更され、アメリカの会計士に対する優遇制度はなくなったそうです。それをきいて、タイミングって大切だと思いました。

私は、2012年8月に開業し、2013年5月に5日間の研修を受けました。開業期だったので会社運営を安定させることが第一でしたが、会計事務所の所長が会計士資格をもっていないのもおかしな話なので、なるべく早く資格を取得することを目指しました。

資格を取って良かった理由は2つあります。

まず、仕事の幅が広がったということ。

シンガポールで会社を設立する場合で本人以外が設立する場合は、ACRAにFiling Agentの登録をした人しか代行することができません。Filing Agentになる要件は、シンガポールの会計士や秘書役の資格を保有している人です。

その資格を有さない日本の会計士さんが、会社設立を外注しなければならないのに対し、弊社はその必要がないのでコストが抑えられるようになりました。

もう1つは、採用時に有利だということです。

求人への応募者の中には会計士試験受験生がたくさんいます。彼らは、資格取得には実務経験が必要ですが、弊社で働いた場合、私が彼らの実務経験を証明しサインをすることができます。向上心がある優秀な人に入社いただける可能性が増えることほど、会社としてうれしいことはありません。

新しい試験制度に挑んだ場合、合格までに数倍の時間を費やすことになったと思います。

あの時、資格を取ると決意してよかったです。